<ソフトバンク7-1横浜>◇29日◇福岡ヤフードーム

 手負いのヒットマンが古巣相手にきつ~い恩返し!

 ソフトバンク内川聖一外野手(28)が昨季まで在籍した横浜にマルチ安打を浴びせた。初回1死二塁で、横浜ハミルトンから中堅越えの適時二塁打を放った。

 「昨日の勢いそのままに何とか先制したいと思っていた」。

 最大4点差を逆転した前日の勢いを止めない初回の先制打で、一挙4得点の口火を切った。古巣に強烈な先制パンチとなった。

 「昨日(28日)は相手が横浜ってことで意識しましたけど、今日は自然体でやれました」。

 公式戦では初対戦となった前日は無安打に終わった。スタメン出場31試合で無安打は7試合しかないだけに、意識したというのは本音。守備中には、左翼席の横浜ファンから心ないヤジも飛んだという。

 「あれで踏ん切りがついた面も正直ある」。

 もう遠慮はなしだ。2回にも中前打をマーク。3回途中でハミルトンをKOし、序盤で古巣の戦意を失わせた。

 今季15度目のマルチ安打と好調をキープし続けているが、体は決して万全ではない。5月上旬に右太もも裏を痛め、7試合でベンチスタート。13日以降は先発出場しているが、患部をかばうあまり、元とは違う箇所を痛め現在もテーピングを巻いている。それでも打線の軸としてチームの勢いを止めるつもりはない。

 「勝てるうちに勝っておけば後々楽というのもあるので」。

 完全にホークスの一員となった内川のバットが、さらにチームの白星を呼ぶ。【倉成孝史】